2019/6/5
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タバコが死に直結するという意識 |
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タバコは嗜好品であり、喫煙は息抜きや娯楽であるとも言えます。体に悪いとはいえ、お酒と同じようにほどほどに嗜めばストレス発散にもなるので、無理に止めればかえって精神的に不安定になって健康を害すると言う人もいます。 しかしながらタバコを止められないのは、単に意志が弱いからでも習慣化によるものではなく、喫煙が依存症だからなのです。依存症とは、体に有害なものを摂取することで得られる刺激や快感の誘惑に勝てず、反復して使用してしまうことを指します。 ニコチン依存症の特徴は、体に悪いとわかっていても自力で摂取量を制御できなくなることです。またタバコの場合、物質に執着するだけでなく、タバコを吸うという行為自体に依存してしまうというパチンコや盗癖と同じ特徴があります。 タバコという物質と喫煙という行為の両方に依存することになるので、生活の中にしっかりと根ざしてしまい、止めようとしてもなかなか止められなくなるのです。依存症になると、鬱や摂食障害など、他の疾患・障害との合併症が生じるおそれがあります。不安や心配を紛らわすためにタバコに手を出すことにより、一時的には解消されても結果として更に大きな不安や心配に悩まされることになるのです。 こうしてアルコール中毒のように人生を棒に振る最悪のケースも多発しているにも関わらず、喫煙の危険性はアルコールほど認識されていません。それはヘビースモーカーであっても重大な病気にもならず長寿を全うする極めて例外的なケースが過大に宣伝され、喫煙者にさほど危機感を抱かせないという事実もあるからです。 しかしながら喫煙が砒素や青酸カリのような毒物を体内に入れるのと同じで、タバコが死に直結するという認識が広まっていれば喫煙者はずっと少なくなっていたことでしょう。「タバコを吸うと死ぬ」という当たり前の現実を認識することが、禁煙の第一歩です。 |
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