2019/6/24
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禁煙に挑戦したが、いずれも長続きしなかった |
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これを読んでいるということは、あなたも禁煙したいと思っているからでしょう。これまで何回も禁煙に挑戦したが、いずれも長続きしなかったといったところでしょうか。1週間、1カ月、人によってはそれ以上の期間、禁煙に成功した経験がある人もいるはずです。しかし、「1本ぐらいなら…」と油断したために、せっかくの努力がパーになったという経験も、多くの喫煙者に共通する悩みではないでしょうか。 努力で禁煙は長続きしません。タバコがなかなかやめられないと、周囲の人はあなたの意志が弱いからだと非難するかもしれません。あなた自身もそう感じて自己嫌悪に陥っているのではないでしょうか。しかし、タバコがやめられないのは意志の問題ではありません。「意志が弱いから禁煙できない」は間違いなのです。 初めてタバコを吸った時のことを思い出してください。いきなり「うまい!」と思った人はいないのではないでしょうか。ゴホゴホと咳き込みながら、「こんなものの何がいいのか…」と思ったはずです。しかし、我慢して吸い続けていると、いつしかタバコがうまく感じられるようになります。タバコへの依存が形成された瞬間です。 タバコがやめられないのは、一度覚えた自転車の乗り方を忘れないのと同じことです。タバコをうまいと感じる脳の回路が出来上がってしまっているので、何年禁煙しようと1本吸った途端に元に戻ってしまいます。このことを知らないと、いつまで経っても「タバコがやめられないのは意志が弱いからだ」と自分を情けない人間だと思い込むことになるでしょう。 禁煙と意志の強さは無関係ですが、一人で禁煙が難しいのも事実です。自分一人でやめられそうにない時は、専門家の力を借りることを考えてください。 禁煙になかなか踏み切れない人は、タバコにも一定のメリットがあると考えているからではないでしょうか。しかし、そのメリットとは、一見メリットのように感じられるだけのもので、実際はデメリットでしかないのです。 タバコを吸うと、「気分が落ち着く」、「イライラがなくなる」、「ストレス解消になる」と言う人がいます。喫煙者の多くはそれを実感しているのではないでしょうか。しかし、それは誤解です。 タバコで解消されるイライラやストレスの原因は、タバコの成分が体内に不足していることのサインに過ぎません。確かにタバコを吸えば気分が落ち着くように感じることもあるでしょう。しかし、タバコの影響が体内からなくなると、すぐにまたイライラやストレスが襲ってきます。 タバコによるストレス解消とは、タバコによって生じるストレスをタバコで解決しているだけのことです。言ってみれば、タバコを吸い続ける限り、永遠にイライラはなくなりません。また、タバコで解消できるのはタバコによるストレスだけなので、他の問題に起因するストレスはそのままです。それでもタバコはストレス解消に役立つと主張するのであれば、それは同じ理由でアルコールや違法薬物を濫用することと変わりありません。 また、タバコを吸うと仕事が捗るという人もいます。これも上のことと同じで誤解です。タバコを我慢したストレスをタバコを吸うことによって解消して、それですっきりした気になって仕事に集中できるような気になっているだけのことです。つまり、タバコを吸わなければ最初からイライラやストレスを感じることはなく、仕事の効率も遥かに高くなります。タバコのおかげで仕事が捗ると思っている人は考えを改めましょう。 ある試算によると、タバコに関する諸費用は、20歳から70歳まで50年吸い続けた場合、1600万円前後にも達します。この費用には、タバコ代のほか、タバコと一緒に嗜むお酒やコーヒーなどの飲食費や、喫煙を原因とした病気などの医療費なども含まれます。いずれにせよ、タバコを吸うということは、相当な大金を燃やし続けているのと同じことです。 しかし、いくらタバコのために無駄な出費をしていると頭で理解しても、そう簡単に禁煙できる人は多くないでしょう。お金を無駄にしていると思いつつも、ストレスの解消などと言い訳を付けて吸い続けます。しばらく吸わずにいられたとしても、何かをきっかけにまた吸い始めてしまったという経験をしたことのある人は多いはずです。 禁煙がうまくいかない人は、動機がはっきりしていないことが多いです。なんとなく節約のため、健康のため、と漠然とした動機だけでは禁煙はなかなか続きません。ところが、病気と診断されて「タバコをやめなければ死にますよ」と医者に脅されたら、命がかかっているために禁煙への姿勢も鬼気迫るものになります。このぐらい強い動機があれば、禁煙することはそれほど難しくありません。また、後ろ向きの動機でなくても、「タバコ代の節約で○万円貯まったら海外旅行に行く」など具体的で前向きな動機があると成功しやすくなります。 また、禁煙する時にいきなり大きな目標を立てるのはおすすめしません。「一生吸わない」などと決めると、日々の達成感が得られないからです。それより、「まずは1日」、「1日禁煙できたから次は3日」、「今度は1週間」というふうに、細かく目標を設定することで励みができて続きやすくなります。小さな成功体験を積み重ねていくことが、禁煙を続けるためのコツです。 |
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