2020/4/23
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禁煙の「離脱症状」をどう克服するか |
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タバコを吸っている方は大概一度は禁煙に挑戦しますが多くは失敗に終わります。上手く禁煙できない理由のひとつが「離脱症状」です。 これまで日常的に喫煙していた人が急にタバコを断つと出てくる症状で、禁煙を諦めタバコを再開すると症状が収まるという厄介な性質を持っています。 しかしこのことは離脱症状さえ克服できれば禁煙が上手くいく可能性がグッと高まることを意味します。どうすれば離脱症状を解消できるのでしょうか?
代表的な離脱症状には「タバコが吸いたくなる」「落ち着けない(イライラする)」「眠れない」「気が散る」「やる気が出ない」「頭痛」「体がだるいくて重い」などがあります。 これらの症状が出るのは禁煙か2~3日後で、それから2週間ほど続きます。特にひどいのは最初に症状が出た時で、猛烈にタバコが吸いたくなります。 それを我慢しているとイライラしてきて落ち着かなくなります。夜まで続いて眠気がこないケースも少なくありません。 頭痛などの症状が出ることもあり、その辛さから禁煙を断念する人も多いです。
どうして意志の力が敵わない強力なタバコへの欲求が生まれるのでしょうか?その秘密はタバコの習慣化にあります。 喫煙とリラックスした気持ちがセットで認識されるとタバコへの欲求が強まるきっかけになります。 例えば緊張続きの仕事が終わった時にタバコを吸うと、タバコがもたらす快感効果と仕事を無事終えた安堵感(リラックス)が結び付いて「タバコを吸う=リラックス」と脳みそが認識します。 こうなると緊張が解けた時にいつでもタバコが吸いたくなります。リラックスとタバコが脳で結び付いているために、落ち着くにはタバコを吸う必要があると考えてしまうのです。
喫煙の仕組みは人間の習慣化とよく似ています。それまではしなくても平気だった行為を習慣にすることで、やらずにはいられなくなります。 習慣化された行為が止められないのと同様に、喫煙とリラックスが結び付くとタバコを吸わないといつまで経っても落ち着けなくなります。これが強い禁断症状が出る仕組みです。 喫煙から3日後程度の離脱症状が一番強いのも習慣化された喫煙を止めた直後だからです。 習慣をいきなり止めたので大きなギャップが精神面で起きているのです。離脱症状を完全に消すのは難しいです。
離脱症状を軽くすることはできます。今、一番離脱症状の改善に効果があるとされているのが行動療法です。 タバコを吸う代わりに3~5分程度でできる作業を行うことで喫煙への欲求を我慢できるレベルまで抑えることができます。 代表的な喫煙の代替行為は「顔を洗う」「歯磨き」「カラオケ」「ラジオ体操」「飲み物を飲む」などです。 いずれも簡単にでき、喫煙欲求が高まるたびに行うと効果的です。行動療法を行う前にタバコを吸う習慣に綻びを入れておくのも離脱症状を抑える一助となります。
喫煙の習慣化が問題ですから、普段とは違う吸い方をすることで喫煙習慣に違和感を覚えさせ習慣化にヒビを入れられます。 具体的には違う銘柄を吸ったり、タバコを持つ手や持ち方など変えて吸います。吸っている最中に気持ちの悪さを感じたら成功です。 面倒ですが禁煙を成功するためも積極的に積極的に行動療法に取り組みましょう。行動療法を続けて10~14日ほど経てば自然と離脱症状は収まってきます。 これは喫煙の習慣化が解けはじめたことが要因のひとつです。継続すればさらに高い禁煙効果が上げられるでしょう。 離脱症状の抑制するためにニコチンやタールの含有量が少ない銘柄を選ぶ人がいますが、これは効果がありません。 タバコのパッケージに書かれたニコチンやタールの含有量は実際の含有量ではなく、計測器がタバコの煙を吸った時に確認できたニコチンやタールの量です。 そのためニコチンが少ないとパッケージに書かれた製品もタバコ内部に含まれるニコチン量は変わりません。 付属のフィルターによってニコチンが吸い込みづらくなっているだけです。
脱症状を軽くするには、せめてタバコを吸う時間を制限し、いつもより少ない数で済ますようにしましょう。そうすれば、いざ止める際に楽になりますよ。 |
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