2021/7/4
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タバコを吸い続けるとCOPDのリスクが大きい |
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タバコを吸い続けることにより、起こりうる疾患はたくさんありますが、その中でも一番リスクが高いのが慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。これはどんな病気でしょうか。 ① タバコを吸うことにより気管支に炎症が起こる タバコを吸うときには煙が出ますね。その煙を吸うことにより、私たちが呼吸をするときに一番重要となる気管支が、炎症を起こした状態になるのです。炎症はじわじわ起こすので、痛みも何もありません。炎症状態が常に続くと、呼吸をするときの通り道である気管支が狭くなって呼吸がしづらい状態になることもあります。 ② 肺胞がつぶれてしまう 私たちの呼吸をするときの要である肺の中には、気管支から無数に枝分かれした肺胞があります。この肺胞一つ一つが働いてガス交換をしているのです。ガス交換とは酸素を体に取り込み、二酸化炭素を排泄することであり、これにより常に私たちは酸素を体の中に取り込むことが出来ているのです。 しかしタバコを吸うことにより、とても小さな肺胞が破壊されてしまうのです。そのためガス交換が上手くできなくなってしまうのです。残念ながら、一度破壊された肺胞は、再びもとに戻ることはできません。そのためどんどん肺の正常機能をする部分が少なくなってしまうのです。 始めは痰がでるなどの軽い症状から始まり、肺が炎症を起こすと、痰などが増えてきます。痰がたまれば、自然と咳もできますし、意識的に咳をして痰を出そうとしますね。 しかし気管支が炎症を起こしている、気管支が狭くなってきている、肺胞がつぶれている状態では、一度に咳をして痰をしっかり出せるほど肺活量がないことも…。 そのため、常に痰が絡んだような弱い咳が続くということもあります。また肺活量がないということは、少し動いても息切れがするということにつながります。息切れがすることにより思うように動くことが出来ず、結果として全体的な活動性が低下してしまいます。 活動性が低下すると、今度は体力も徐々に低下をしていきます。また以前にようには動くことが出来なくなってきた、またやりたいことが出来なくなってきたということがやる気の減退、生きがいを見いだせなくなることもあり、精神的な影響も及ぼします。 ③ 最終的には二酸化炭素がどんどん体にたまっていく… 慢性閉塞性肺疾患の怖いところは、重症になると効果的な酸素と二酸化炭素の交換ができないことにより、体内に二酸化炭素がたまってしまうことです。最終的にはCO2ナルコーシスといって意識障害を起こしてしまうこともあるほど。 それを予防するために、薬物療法、運動療法を基本とし、重症度に合わせて在宅酸素など継続的な治療が必要になります。 |
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