2021/7/22
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受動喫煙には重大なリスクがある |
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タバコの煙には、喫煙者が直接吸い込む煙(主流煙)と、火のついた先端部分から立ち上る煙(副流煙)があります。 受動喫煙とは、他人が喫煙することにより生じた副流煙を吸いこんでしまうことをいい、タバコの煙にはなんと200種類もの有害物質(うち約70種類は発がん性物質)が含まれており、副流煙には主流煙以上の有害物質が含まれています。 つまり、タバコを吸っている人よりも、たまたま他人が吸っているタバコの煙を吸い込んでしまった人の方が多くの有害物質を吸い込んでしまっているのです。
① ニコチン 中枢神経に作用し、喫煙への依存を助長し、常習性を高めます。また、動脈硬化を促進させます。
② タール タバコのヤニの部分で、がんなどを促進する可能性がある物質が含まれています。
③ 一酸化炭素 一酸化炭素が血中でヘモグロビンと結合すると、酸素を運ぶ能力を低減させます。また心臓疾患のリスクを高めることに関連があると考えられています。
④ 副流煙に含まれる有害物質 (主流煙に含まれる有害物質との比較)主流煙を1とした場合、副流煙には、ニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍も含まれています。この数字から見ても、副流煙の方がかなり多くの有害物質が含まれていることがわかります。もし今あなたが喫煙者であるならば、一緒に住んでいる家族や周りの人たちの被害をしっかり考えなければなりません。 ベランダで吸ったり換気扇の下で吸っているから大丈夫、空気洗浄機で臭いがしなくなったから大丈夫と思っている方もいるかもしれません。しかし、服や髪の毛、カーテン、家具などタバコの臭いが付着していますし、そこから有害物質を体内に吸い込み、受動喫煙の被害にあっているのです。
④受動喫煙が身体に及ぼす影響 受動喫煙をしなかった場合に比べて、肺がんは1.28倍、虚血性心疾患は1.3倍、脳卒中は1.24倍、発症する可能性が上がってしまうということです。また
⑤受動喫煙の被害を避けるには 分煙しても完全に受動喫煙の被害を避けることはできません。唯一の対策は、100%禁煙のみです。少しでもタバコの臭いを感じれば、それは被害に遭っているといえます。 また、煙が出ない新しいタイプの加熱式タバコであっても、紙巻タバコとほぼ同程度のニコチンが含まれていることが分かっています。一方で、タバコの葉を加熱することで生じる有害物質についての科学的な検証結果は、まだ明確になっておりません。このことから、加熱式タバコも禁煙の代わりとは言えず、受動喫煙の被害を避けるためには完全な禁煙が必要なのです。
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