2022/11/15
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タバコの身体的依存はどこまで続く? |
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タバコがどうしてもやめられない理由の一つには身体的依存があり、身体的依存はタバコに含まれているニコチンが原因と考えられています。実際のところ、ニコチンによる身体的依存はタバコをやめて2、3日で消失するため、その期間だけ禁煙することができれば身体的依存からは解放されます。
しかし実際に禁煙をしたことがある方は、「苦しいのはそんなに短い時間ではない。もっと長い時間禁煙のストレスを感じた」と思うはずです。確かに、禁煙のストレスがたった2、3日で回復するなら、「こんなにも禁煙が難しい」という話にはなるはずがありません。
タバコにはたくさんの有毒物質が含まれていますが、その中の主な依存性の高い物質はニコチンです。ニコチンはタバコ全体の重量の10%程度を占めるとも言われており、これが熱によって気化されて肺から吸収され、脳の神経細胞受容体に結合すると、すぐにドーパミンと呼ばれるホルモンが放出されます。
このドーパミンはアドレナリン・ノルアドレナリンの前駆物質であり、やる気や幸福感と深い関係があります。私たちが何かをして「楽しい」「嬉しい」と感じるのはこのドーパミンの作用によるものが大きく、この気持ちが継続することが「やる気」や「意欲」につながります。ドーパミンが増えると集中力がアップし、仕事や勉強の効率がよくなるとも言われています。
喫煙によりニコチンを摂取して人工的にドーパミンが過剰に分泌される状況を作り出せるようになると、やる気や幸福感を欲してタバコを求めるようになります。そしてニコチンが少しでも切れるとイライラするようになり、またタバコを吸いたくなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。なお、ニコチンの分解は非常に早く、およそ30分ほどでニコチン切れ症状を引き起こすと言われています。
これらの症状が大きなストレスとなりますが、これはタバコを吸うことで急速に回復します。しかしこの悪循環を繰り返すことで、徐々にタバコを吸わないと不安を覚えるようになっていくわけです。 また、ニコチンは定期的に摂取を続けていると、徐々に前回と同じ量では満足できなくなっていきます。これはニコチンに体が慣れてしまい、タバコを吸って分泌されるドーパミンの量が減っていってしまうからです。 その結果、今までと同じ快感を求めようとしてだんだん喫煙量が増えていき、依存症へと進行していきます。ニコチンへの依存はヘロインやコカインと並ぶほどであるとも言われていることからも、その依存度の強さがわかるでしょう。最初は苦しいですが身体的依存は1週間ほどでなくなります。
たばこをやめ、やめ続けるためには、たばこを使用する人は、身体的依存と精神的依存の両方に対処しなければなりません。幸いなことに、カウンセリングでスマートフォンやタブレット、禁煙のサポートサービスを利用して、この時期を乗り切ることができます。身体的な症状と同様に、感情的な変化も時間の経過とともに改善します。
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