2022/11/15
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タバコの心理的(精神的)な依存はどこまで続く? |
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タバコに含まれているニコチンによる身体的依存は非常に強烈ですが、2、3日禁煙すれば解放されるため、「タバコをやめたい」という強い意志があれば誰でも禁煙を成功することができます。しかし実際には「一度禁煙に成功したものの、しばらく経ってからまたタバコを吸ってしまった」という禁煙失敗例があとを絶ちません。その理由は、心理的(精神的)な依存によるものです。
喫煙者はこれまで朝、目が覚めたら喫茶店でコーヒーと一緒に、仕事の休憩時間、食事の後の一服、お酒を飲みながら、寝る前などさまざまなシチュエーションでタバコを吸っていたことでしょう。生活のあらゆるシーンでタバコが結びついてしまっているため、このシチュエーションでタバコを吸わずに過ごそうとすると、「口が寂しい」「間が持たない」という小さなストレスを感じるようになります。タバコを吸っていた記憶はかなり長い期間(おそらく一生)残りますから、この小さなストレスとはずっと付き合っていかなければいけないことでしょう。
また、ストレスにさらされた時にタバコを吸ってリラックスできた経験を思い出し、「タバコを吸ってストレスから解放されたい」という欲求を感じることもあるでしょうし、喫煙所の近くを通りかかった時に誰かが美味しそうにタバコを吸っていると、「もう一度タバコを吸いたい」という強烈な欲望を感じることも当たり前のことです。
心理的な依存は記憶と経験によるものが大きく、タバコを吸っていた年数が長いほど、吸っていた本数が多いほど強く起こります。この心理的な依存により、「一度禁煙に成功したにもかかわらず、何かのきっかけでまたタバコを吸ってしまう」ということが起こってしまうのです。
「禁煙ができないのは自分の意思が弱いからだ」と考える人が非常に多いのですが、心理的な依存から解放されるためには、自分だけの力では困難です。家族や周りの人の協力と理解が絶対に必要ですし、場合によっては医療機関を受診して長期にわたって治療しなければいけないケースも多々あります。
禁煙は我慢大会ではありません。我慢しようとすればするほど限界が来てしまうでしょう。少しずつ楽になったと実感するために目標を決めて禁煙しましょう。特に心理的依存による禁煙の苦しみは長期に及びますから、自分だけで苦しむのではなく、適切な方法を選択することが必要になるでしょう。また禁煙に失敗してしまったらからといって諦めるのではなく、根気強く挑戦していくことが大切なのです。
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